京都学・歴彩館

京都について探究するなら、まずはここへ

1963年から約50年間にわたって運営されてきた「京都府立総合資料館」がリニューアルオープンしたのは2017年4月28日。以来、京都に関する資料を総合的に収集・保存し、公開するという従来の機能のほか、シンポジウムやセミナー、研究報告会など、多彩なプログラムを展開しています。

苔が美しく映える1階中央の「光庭」

地上4階地下2階、鉄骨造りの建物は、景観に配慮しながらも独創的で、鉄骨を筋交いのように組み合わせ、大判ガラス壁を多用しています。内観も京都の条坊制を意識して、通路を格子状に設けて各スペースとの動線に優れた配置で、1階から4階まで続く吹き抜けや、ガラス壁全体で取り入れる太陽光などで、明るく開放的な空間を形成しています。

1階の「交流フロア」にある「展示室」では、年に4〜5回企画展を開催。ほかに、京都の歴史や文化を学んだり、交流スペースとして使える「京都学ラウンジ」、飲み物の自販機を備え、パンや弁当などを持ち込んで食べるなど多目的に使える「ほっとスペース」など、交流拠点として来館者が気軽に利用できる設備が整っています。スペースの一角に“大正時代の広重”と称される吉田初三郎作の幅5mにわたる『京都名所大鳥瞰図』の原画が壁面に飾られているなど、貴重な美術品を身近に鑑賞できるのもうれしい配慮です。

膨大な数の京都に関する資料の中から検索して閲覧できる

そして、この施設のもっとも基本的な利用方法となるのが2階の「探究フロア」での資料閲覧。ここでは、開架されているもののほか、地下収蔵庫に収められているものについても、一部を除きカウンターで申し込めば見せてもらえます。なかには、江戸時代以前の古文書の原本もあり、手にとって閲覧できるのは同館ならではでしょう。
同館所蔵資料はインターネットの専用サイト『京の記憶アーカイブ』でも公開しており、目的の資料を検索して、事前に閲覧希望の資料を探しておけば、短い訪問時間でも効率よく閲覧することができます。また『京の記憶アーカイブ』だけでも、たとえば明治期に撮影された琵琶湖疏水関連※や葵祭などの写真を見ることができ、教材研究においても利用価値があるでしょう。
なお、歴彩館が所蔵する図書資料の貸し出しはしていませんが、申し込みによりコピーが取れます(有料)。
※ちなみに、検索の際はキーワードを「琵琶湖疏水」とするよりも「疏水」としたほうが、写真については多くの件数がヒットします。

ほかには、イベントや講演会などが行われる大ホールや小ホール、来館者が誰でも使える学習室もあり。
平日は21時まで、土日は17時まで開いており、利用の幅も広がることでしょう。

ガラス壁と吹き抜けによる開放的な空間が心地よい

【施設情報】
名称:京都府立京都学・歴彩館
(きょうとふりつきょうとがく・れきさいかん)
所在地:京都市左京区下鴨半木町1番地29
(地下鉄烏丸線「北山駅」下車、徒歩約4分)
電話:075-723-4831(企画総務課)
開館時間:平日9:00〜21:00※展示室と京都学ラウンジは18:00まで
土・日曜日:9:00〜17:00
休館日:第2水曜日・祝日・年末年始および蔵書整理期間
入館料:無料
駐輪場:無料
駐車場:有料(60分300円/一日最大1200円)

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