「少子高齢化社会」という言葉が毎日のように繰り返される日本では、子ども(15歳未満)人口は1982年(昭和57年)から44年連続で減少しており、2025年4月1日時点ではその数は1366万人と、前年に比べて35万人減少し、過去最低を記録したそうです。1995年の子ども人口が2002万人だったことを考えると、この30年で636万人減り32%ほども減少したことになります。

一方、技術革新による社会の変化は目覚しく、今は人工知能(AI)の発展が人々の暮らしや労働形態など社会全体を劇的に変えている最中にあります。さらには、労働力不足や企業の海外市場拡大などを背景に、日本社会のグローバル化もますます進んでいます。

そんななか、子どもたちが身に付けていくべき力も、より幅広く、高度なものが必要とされるようになっています。学習指導要領の大幅改定や大学入試制度改革などに見られるように、「知能・技能」だけではなく「思考力・判断力・表現力」、そして「探究力」といった求められる力が明確に変わってきています。子どもたちが将来、さまざまな課題を抱える予測の難しい時代を自らの力で生き抜いていくためには、常に学ぶ姿勢と深く考えることが必要になってくると思われます。

また、子どもたちを取り巻く環境が変わりゆくなかで、親や家族、教育関係者だけでなく、地域の人々や社会で活躍する大人たちが、今まで以上に教育に関わる姿勢もだいじになってくるでしょう。2020年から小学校で、翌年から順次、中学校、高等学校へと全面実施が展開される新学習指導要領においては、「社会に開かれた教育課程の実現」が理念に掲げられ、学校と社会とが認識を共有して、相互に連携することが期待されています。

京都は世界的観光地としての人気が定着し、国内外の多くの人々を魅了する華やかで雅やかな魅力を発する一方で、その長い歴史を背景に、実にさまざまな出来事が人々の営みの中で起きた舞台でもあります。また、人々が創造してきたものは、建造物や美術工芸品にとどまらず、産業や技術、生活文化やカルチャーなど、多岐にわたっています。そのほか、人間社会と共生してきた緑豊かな木々や絶え間なく流れる河川や古くから水を蓄え続けている池など、美しくも時に厳しい自然を有する地域でもあります。

ここ京都では、自分の目や耳で確かめ、五感を使って接することで、机上の学習やインターネットなどでは得られない多様な学びを得ることができるはずです。
その多様な可能性を探りながら、子どもたちの学びに間接的にでもお役に立てるような取組を展開したい、と考えています。